【書評】メモの魔力:メモの概念と考え方を覆してくれた良書

メモの魔力:The Magic of Memos 書籍
この記事は約8分で読めます。

こんにちは、Tüu(@tuu___2)です。

突然ですが、あなたは ”意味のあるメモ” をできていますか?

メモといっても様々で、例えば

  1. 興味:見聞きして気になったことを
  2. ノウハウ:何かの手順や方法
  3. 防備録:友人の家の住所やポストの番号など忘れないために残している

などがあります。

僕は気になったことやアイデア、買うものやTodoなど全てNotionへ記録をして一元管理していますが、その律儀にインプットされたメモのほとんどは読み返されることはなく、ただの記録になっているという事実を本書に気付かされてハッとしました。

ただ記録して満足していたのです。

この記事を読まれている方ならもうご存知だと思いますが、showroomの前田裕二さん(以下 前田さん)はどのテレビ番組で姿を見かけてもノートを片手にメモをしていて、まるでメモの鬼のような方なのですが、そんな方がどのようにメモをしているのかが気になりこの本書を手に取りました。

結論としては大満足で、この書籍は「メモ」のみならず、考え方や物事へ対する姿勢などあらゆる点で新たな気付きを得られたので、僕としてはかなりの良書だと感じました。

次の項目で、この本の重要だと思う部分を要約してみたので、もし意味のあるメモができていない心当たりがある方はこのまま読み進めてみてください。

この本で学べること
  • メモの役割について
  • ただのメモをアイデアにする方法
  • 夢や目標を叶えるためのメモ

10年以上のブログ運営経験と多様な技術スキルを持つレビュアー。
数百を超えるレビュー記事執筆を通じて独自の視点を形成。
読者との共感を深める、日常的な視角からの洞察を提供。

Tüuをフォローする

メモの魔力:本の情報

著者 前田 裕二
出版年 2018/12/24
ISBN番号 978-4344034082
ASIN B07L67XZSS
ページ数 254
書籍:「メモの魔力」の情報

>> Kindleで読む

メモの魔力:要約

本書「メモの魔力」を簡単に要約したものですが、下記の三点が本書の核心的な部分だと感じたと同時に、メモの概念が180度変わりました。

  1. メモは単なるノウハウではない
  2. ただメモをすればいい訳ではない
  3. 夢や目標を叶えるためのメモ

それでは、1つずつ解説します。

メモは単なるノウハウではない

普段、メモと言えば「ただ見たり聞いたりした内容を紙やメモアプリに記録をする」ということが当たり前だと思いますが、本書が指す”メモ”とは

インプット→抽象化→転用 のフローを実行することで生産性のあるメモ「アイデア」となる

という一連の3つの流れまでを行うことで、意味のあるメモにすることができるというメモ術(考え方)です。

補足:抽象化とは

具体化とは反対の考え方で、物事を具体的にするのではなく”ざっくりとした概念を考える”ことで、例えば具体的にするには赤くて丸い果物は「りんご」ですが、抽象化は「りんご」は丸い、赤い、果物、と、更には形、色、食べ物 と抽象化することができます。

※ 例えば、「りんご」を「果物」として抽象化することで、りんごだけでなく、梨、バナナ、オレンジなど他の多くのアイテムも同じカテゴリに含めることができます。これにより、より大きな範囲の概念やシステムを理解しやすくなります。

上記のフローを行うことで以下のような様々な発見や、気付きを得ることができます。

  • 自分の分析(思考の深堀)
  • 夢の実現(やりたいことを知る)
  • アイデアの発掘(WHYとWHO)

例えば「カフェの経営」というインプットした内容から「アイデアの発掘」をするためにカフェの経営を抽象化していくと

  1. 喫茶店
  2. コーヒーを飲む場所
  3. 人が集まる場所(コーヒー好きな人が?:など)
  4. コミュニティのような場所

のようにイメージすることができ、抽象化した概念を組み合わせることで「コミュニティとの接点を提供する場」として

  • コーヒー愛好家が集まる喫茶店(豆の産地や種類、入れ方などにこだわる)
  • 落ち着いた空間でコーヒー好き同士が婚活できる場所(陽キャのようにキラキラしていなくても参加しやすい)
  • バーのように喫茶店の一角にライブ会場やイベントのできるスペースを併設する(地域やアーティストへとのつながりを持つ)

など、ざっくりした例ですが、単なる飲食の提供ではなく「カフェ×コミュニティ」という全く別の要素を取り入れたアイデアを見つけることができます。

ただメモをすればいい訳ではない

僕もこの本を読むまでは正直なところ、”ただメモをする”という行為に該当していました

もちろん、前途の「メモは単なるノウハウではない」でお話していたように、ひと括りに”メモ”と言っても様々あり、メモの書き方に正解や不正解はないと思います。

では、本書の言う「ただメモをすればいい訳ではない」というのは何を指すのかというと

  • 問題意識や課題を持ち取り組むことが重要
  • 常にアンテナを張り「なぜ」や「どんな」を素通りせず深堀りをする
  • 物事を俯瞰して全体を客観的に見る必要がある。
  • 背景や特徴考える

という観点を持つことで生産性のあるメモ、いわゆる「意味のあるメモ」にすることができるということです。

さらに要約すると「ただメモをするだけではなく、問題意識を持ち、深く考え、物事を俯瞰して客観的に理解することが重要。」というメッセージ性を感じました。

夢や目標を叶えるためのメモ

メモのとり方は前途でお話した手順と全く同じです。

例えば、夢の実現であればとりあえず思いついた「やりたいこと」や「やってみたいこと」もし明確ならビジョンがあるなら「目標」などを全て書き出します。

次に、書き出した内容についてその目標を達成するにはどのようなアクション(行動)を起こすべきなのか、やりたいことであればどうすれば叶えることができるのかを掘り下げていきます。

すると少しずつ目的を達成するために”何をするべきか”が明確になり、徐々に夢が鮮明になっていくことで現実になるということです。

また、心の内を書き出すことで心に秘めていた想いを潜在的に意識するようになり、目標や叶えたいことが無意識にイメージできるようになることで目的意識を強めるという相乗効果があります。

下記はこの項目で得た気付きを要約したものです。

  1. 何よりも忘れないようにすることが重要
  2. 意識をすることで自身に定着をさせる
  3. 目的に対して意欲を持つことで達成することができる
  4. 夢や目標を叶えるのは自分の行動の結果(自分自身)

上記の気付きを、より簡潔に抽象化すると「記録をすることは、ただアウトプットした情報にとどまらず、自分をより知ること、夢や目標を実現、新たな視点や解決策の発見など、価値のあるものになる」ということだと感じました。

メモの魔力:個人的な感想

今まで軽く考えていたメモが”深い思考を与えてくれる”という事実に、日頃から頻繁にするメモだからこそ衝撃がかなり大きなものでした。

色々と気付きを与えてくれた本書ですが、その中でも下記の引用がかなり印象的でした。

話がうまい、と感じる人と会話をしていると、いくつかの共通点があります。その一つが、会話それぞれに「タイトル」を勝手につけてくれる、というもの。「なるほど。それは、 ○ ○ということですね」、「 ○ ○についての話ですね」と、綺麗にまとめてくれるのです。話しているほうも、しっかり聞いてもらえているのがわかるし、「そうそう」と思わず話しているこっちが相槌を打ってしまう。話し上手は聞き上手、と言われますが、それは本当だと思います。

メモの魔力

あらゆる具体事象に対して、「どんな(特徴)?」「なぜ(理由)?」と問うことを癖にしていくことが重要です。そこからの気づきを他に転用する生産性の高い抽象化こそが、知的生産メモの本質です。

メモの魔力

確かに話がわかりやすい人と会話をしているときはお互いに「何の話だろう」とは基本的にならないなと、肌感ですが今までの経験上かなり感じます。

そのわかりやすさの裏には、話す内容を要約(抽象化)」をすること、抽象化する際に自分なりに意味を解釈している(名前をつけている)のでスッキリとまとまった話になるという、この本の裏付けになっていてかなり面白いなと思いました。

もちろんそれは会話に関わらず、メモや執筆などの文章のまとめ方にも活かせるスキルなので必須です。

また、常にどんな?(HOW)、なぜ?(WHY)の意識を持つことで、今まで気にも止まらなかった発見があったり、そのインプットした内容をさらに「抽象化→転用」をすることでさらなるアイデアに進化させることもできるのは才能ではなく考え方であるという気付きがありました。

メモの魔力:結論

かなり省略して解説していますが、実際の書籍「メモの魔力」はもっと濃厚な内容でした。

実際に前田さんがお話しているような口語体で読み進めやすく、難しい言葉も少ないので10代のうちに読んで理解できていれば今の生活とはかけ離れたものになっていた…そんな気がします。

  • 普段から頻繁にメモを書いている
  • アイデアが全然浮かばない
  • 自己啓発本を読んでみたい

という方に是非読んでほしい一冊です。

 

>> Kindleで読む

タイトルとURLをコピーしました